先日、オンコロさん主催の「がん医療セミナー ONCOLO Meets Cancer Experts(OMCE)2020」に参加してきました。
受けたセミナーは日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科勝俣 範之 先生が講師の
「医療者と患者のコミュニケーション」というテーマです。
余談ですが勝俣先生はドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」の監修を行っているようですね!リアルタイムで観てたのでちょっと嬉しい!会場内でも観てる方結構いました。
私はがんになって、初めて長期で医師に関わる事になり色々とコミュニケーションについて悩みがありました。聞きたいけど聞きづらかったり、説明受けたけど覚えてなくて改めて聞くのを躊躇したり。。
ただ、ダメな例として挙げられていた医者と患者のコミュニケーションを聞いていたら私の主治医の丁寧さに改めて感謝しました。
で、セミナーでは以下のことを学びましたのでまとめていきます!
・がんと上手に付き合っていくために
・シェアード・デシジョン・メイキング(SDM)とは?
・納得いく治療を選ぶためのヒント
・インターネットの情報について
がんと上手に付き合っていくために
誰かを悪者にしない
がんの原因は偶発的要因が60〜65%、遺伝的要因5〜10%、環境要因30%。
多くのがんは、過去の行いが悪かったからなったのではない。検診が有効ながんも一部とのこと。(環境要因は主にタバコだそう)
食生活・ストレスは微々たるものなので「がんになったのはこれのせい」と誰かを悪者にするのはやめよう!
ストレスの原因は夫だ〜!と離婚するパターンもあるそうですね;;
がん治療3つの心得
あせらず、あわてず、あきらめず
がんと告知されたら、焦って慌てて変な治療に走ってしまったりするのでまずは落ち着く。
そして正しい情報、良い味方をみつけよう(医療者、家族、患者会など)
がんになったから「人生終わり」と自分の諦めない。
自分の人生の質を良くするために治療する。
シェアード・デシジョン・メイキング(SDM)とは?
日本語訳で「意思決定の共有」
医者と患者が情報を共有し、決定も共有する。双方向のコミュニケーション。
納得いく治療を選ぶためのヒント
「エビデンス・ベースド・ペディシン(EBM)=根拠に基づく医療」を元に考える
EBMの3要素「医者の専門性・患者の希望、価値観・科学的データ」
この3つが重なるところが最善の医療。
早期がん、進行・再発がんによってそれぞれの割合は変わる。
※より良いは人によって異なるので患者にとって何が一番大切かを考える
緩和ケアも治療
・手術
・放射線治療
・抗がん剤治療
・緩和治療
緩和ケアは痛みをやわらげるだけ、終末期(死の医療)ではない!
3つの治療が出来なくなった後の緩和ケアではなく、同時にすすめる。
早期に緩和ケアを導入したことにより、化学療法のみの患者さんに比べて
生活の質の向上、うつ症状の軽減など2.7ヶ月の延命効果があったとか。
納得のいく治療を受ける為に
・主治医に「治療の目的、治療の選択肢」を聞く
・主治医以外の相談先もある
看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、
がん相談支援センター、患者会、患者支援団体など。
・セカンドオピニオン(腫瘍内科医、放射線治療専門医)
セカンドオピニオン先で治療を受けたい場合はセカンドオピニオンの先生に確認してみる。
そこでの治療が難しい場合は治療が受けれる別の病院を紹介してもらう
・主治医に相談する時間をくださいとお願いしてみる
・質問を紙に書いてくる
・得た情報を忘れない為に、会話を録音・貰える資料は貰う。
インターネットの情報について
ネット情報はほとんど信頼できない、誇大・虚偽広告に注意。
・保険が効かない医療
・がんが消えた、治ったとの謳い文句
・体験談が紹介されている
医療系の広告に体験談を掲載してはいけない決まりがある。
それなのに体験談を載せているのは怪しい。
それにがんは人によって個人差があるから自分にも当てはまるとは限らない。
先進医療にも指定されていない自由診療に注意。
医学的に有効性があるのが「標準治療」。
治験・先進医療・自由診療は有効性が薄い。
とくに国の審査がない「自由診療」は注意。
ちなみに…「免疫療法」は過去に結果が出なかった為、先進医療を取り消された経緯がある。
感想
今回のセミナーでがん治療の流れというか、基礎を知ることができて良かったです。
がんに関する情報はいろんなことが出回っていて知識の無い私は何を信じていいかわからないし、人によって言ってる事真逆で「この治療でよいのか?」って不安になってました。
後、本当か読んでてお金に余裕がある人とかコネがある人はいろんな情報を集めててお金の無い私はちゃんと治療受けられるんだろうか・・とかも考えて勝手にショックを受けたり。。
情報の選択について。正しい情報が何かを判断するのは難しいけどあきらかに「ダメ」なものは規制されてることをしているかどうかで判断できそうだなと思いました。
治療の目的、治療方法、インチキ医療の見分け方を知る事である程度の軸は決まってくると思うのであとは主治医と相談しながら自分にとって予後が良くなるように治療を進めていったらよいんじゃないかなーと思いました。その為に、医者に聞き辛くてもコミュニケーションとる!自分の命に遠慮しない!自分の楽しみを増やすための治療。頑張ろう〜
次回のイベントについて
オンコロさん主催の「がん医療セミナー ONCOLO Meets Cancer Experts(OMCE)2020」は月に1回開催されているようです。
開催日、テーマなどの詳細は公式HPに掲載されていたので興味があるかたはぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
次回のテーマ「アピアランス(外見)」だけど私は化学療法の翌日だから行けない・・(泣)orz